新型コロナウイルスと現場の危機管理広報〈4〉

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豪雨被害をもたらした長い梅雨がようやく明け、急に暑い夏がやってきました。しかし新型コロナウイルス(COVID-19)の流行は収まる気配も見せず、街中はマスク姿ばかり。都市部を中心に感染者が高止まりしたままです。先行きが見えず、不安と閉塞感だけが増幅される心理状態にありますから、どうしても安倍政権や各自治体のコロナ対策に批判が集中してしまいます。パンデミックはかなり上位のクライシスにランクされますから、その対応策は多岐にわたり、しかも公衆衛生の宿命上、私権を制限せざるを得ないことが起きます。大地震などの巨大災害の場合、被害は大きくても時間軸として見れば発生期と回復期の区別が明確です。ところがパンデミックの場合には終わりが見えません。極端に言えば、人類が滅亡するのではないかという不安すら生まれます。

そうした恐怖の裏返しの不平、不満はどんどんエスカレートしがちで、この制御というかコントロールがパンデミック対策では重要になります。ではその不平、不満の対象を少し整理して考えてみましょう。大きく分けてハードとソフトに分類できるのではないかと思っています。ハードはGo toキャンペーンだったり、医療設備の確保策だったり、PCR検査のやり方だったりの政策自体に対するものです。ソフトはそうした政策を説明する際の話し方や言葉遣いといった部分。つまり情報開示手法を巡る問題といっていいと思います。今回はこの情報開示手法を巡る問題を考えてみたいと思います。

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