日大のクライシスマネジメントの失敗は他人事ではない

バックナンバーはこちら

日大の違法薬物ケースでのクライシスマネジメントは、残念ながら失敗というしかありません。記者会見を見た限りでは、クライシスマネジメントの鉄則である初期対応が混乱し、消火できないまま大火災に発展してしまった感じです。この原因は、初手の事案の評価・分析の認識の甘さが根底にあったように思います。これを解きほぐしてみると、日大の対応が特に間違っていたというよりも、他社事例でもよく見られる失敗パターンが見えてきます。

◇日大は初手の失敗で最悪に◇

日大の理事長と学長の役割分担やスポーツ部の監督権限は、横に置いて考えます。このブログは日大批判を詳述することが目的ではなく、よくあるクライシスマネジメントの失敗事例として学んでほしいからです。

その前提で考えてみます。今回は違法薬物ですから「犯罪事案」です。不適正とか好ましくないといったレベルの不祥事ではありません。大麻だから許容されるはずもありません。その疑いが外部から指摘され、使用を認める供述も得られたとすれば、その指摘は無視できるような噂レベルではなく、「かなりヤバい」状況が想像できるはずです。その認識を持ったならば、早い段階の昨年に決着を付ける道もあったのではないでしょうか。いろいろ言い訳はあっても、ズルズルと先延ばしにし、結果、逮捕学生を出し、大学の統制管理のずさんさをさらけ出してしまいました。初手の失敗から最悪になってしまったのです。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

今すぐ会員登録 ログイン

会員ログイン