謝罪記者会見の位置づけを見誤るな ~ネット上の評価・意見に右往左往する必要はない~

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すっかりお馴染みになった「謝罪記者会見」。ネットで中継されることもあって、そこに立たされる可能性がある社長や幹部は他人事ではなく、不安を持たれることも多いでしょう。その結果、「危機管理広報」の専門家にアドバイスを求める場合があります。

多くは「どうしたら記者会見をうまくやれるか」です。何か、危機管理のコンサルタントに頼めば、失敗しない謝罪記者会見の魔法を教えてくれると錯覚を持っておられるのではないかと感じることがあります。

その原因の一つは、ネット上に溢れる専門家や識者などからの意見、評価にあるように感じています。「記者の質問に答えていない」とか「謝罪になっていない」とか「隠蔽しているのではないか」とか、さまざまな意見が飛び交っています。こうした批判を受けたくないと考えるのももっともなところがあります。

外野の声には的外れと思えるものもありますが、危機管理広報の専門家の意見は概ね正しい指摘がされています。「その通りだと思う。でもね。それは後講釈。終わってからの批評は誰でもできる。実際のクライシスマネジメントの現場での話とは少し違うのではないだろうか」と私は考えます。

2022~2023年は、深刻で複雑・難解な事案が多数起き、とりわけ単なる不祥事ではなく、犯罪化した事案が目立ちました。重大度は五輪汚職が大きいですが今は裁判中なので、社会的関心を集めたジャニーズケースを下敷きにしながら謝罪記者会見の課題を考えてみたいと思います。

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